経済産業省に聞く「中小事業者のための今すぐ始める土壌汚染対策ガイドブック」
中小事業者の土壌汚染対策をサポートする動きが国や自治体で出てきています。経済及び産業の発展等に関する行政を所管する経済産業省もその1つで、2022年11月に「中小事業者のための今すぐ始める土壌汚染対策ガイドブック」を作成し、同省ホームページで公開しています。同省担当者に中小事業者の土壌汚染対策の取り組みなどの話を聞き、まとめました。(エコビジネスライター・名古屋悟)
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◆フローチャートを使い中小事業者に分かりやすく土壌汚染対策を開設◆
土壌汚染対策を中小事業者の方に分かりやすく解説することを心掛けました――。このほど「中小事業者のための今すぐ始める土壌汚染対策ガイドブック」(https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/kankyokeiei/water_and_soil/r41111imasuguhajimeru.pdf )を公開した経済産業省の担当者がガイドブックの狙いについてこう話します。
このガイドブックは、土壌汚染対策法に基づく調査等が必要になる事業者向けに作成したもの。廃業を検討して初めて土壌汚染対策法に基づく対応が必要になることを知る人もいまだに少なくない現状等を踏まえ、改めて事業者に啓発したいとしています。
ガイドブックの作成に当たっては、企業団体等からのヒアリングなども実施。専門家ではない事業者にとって難しい土壌汚染対策法に基づく対応をなるべく易しく解説することを心掛け、分かりやすいフローチャートの作成に注力。
フローチャートでは、溶剤や重金属の使用の有無(過去も含めて)の確認から水質汚濁防止法に基づく有害物質使用特定施設であるか否か、土地が3,000㎡以上の工事を予定しているかなど土壌汚染対策法の規定に沿う状況の確認や、法や条例に該当しない場合でも不動産取引等で土壌汚染対策が求められるケースがあること等も紹介しています。
◆操業中からの対応の検討を推奨…コスト負担等も考慮◆
また、ガイドブックでは、「操業中からの対応」の検討を推奨しています。廃業を契機に考える対応では浄化対策等の選択肢の幅が狭くなり、浄化費用が高額になるケース等があること等を踏まえ、操業中対策のメリットや操業中に対策をしないデメリット等も示しながら操業中に現状を把握し、コスト負担の面も考えて対策できる方法を薦めています。
操業中に将来の対策を検討することで、以降の新たな有害物質の漏洩防止など日頃の管理を意識してもらうことも大切だとしています。
◆動画も公開中!◆
経産省では、ガイドブックのチラシを約14,000の事業者に配布。12月1日からは、経済産業省のYouTubeチャンネルmetichannelで、同ガイドブックに照らした動画「中小事業者のための今すぐ始める土壌汚染対策ガイドブック」(https://www.youtube.com/watch?v=WFQF1NUOXnE )も公開しているほか、中小企業庁が配信するメールマガジンやTwitter等を介したPRも展開しています。
なお、経済産業省では、土壌汚染対策法の基礎をドラマ仕立てで分かりやすくまとめた動画「ご存じですか?土壌汚染対策法」(https://www.youtube.com/watch?v=WFQF1NUOXnE )もmetichannelで公開していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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