【2025年春特集③】汚染土壌・水の対策技術やリサイクル技術を柱に、会員企業と土壌汚染等で対策が必要なユーザーをつなぐ土壌環境保全技術協会

令和2年10月1日に設立した一般社団法人土壌環境保全技術協会(Association of Soil Ecotechnology:略称・ASE、本部・事務局:東京都品川区南大井5?27?17イマス南大井ビル〈太洋基礎工業株式会社東京支店内〉)は、汚染土壌及び廃棄物に関する様々な問題に対し、これまで培ってきた会員各社の技術を集結し、発展させ、よりよい土壌・水環境及び資源循環を創造することを目的に会員17社、賛助会員2社で活動しています。汚染土壌・水の対策技術やリサイクル技術を柱に、会員企業と土壌汚染等で対策が必要なユーザーをつないでおり、その活動が注目されています。(エコビジネスライター・名古屋悟)

◆重金属や油類による汚染土壌の対策技術◆

柱となる汚染土壌の対策技術には、「ASE-MS工法」(NETIS登録番号:KT-200060、中性固化不溶化剤メタルシャットシリーズを使用したもの)、「ASE-OS工法」(NETIS登録番号:KT-210018-A、油分・VOC浄化剤オイルシャットシリーズを使用したもの)などがあります。

土壌汚染対策では、掘削して搬出処理するケースが多いですが、コストがかさみCO2排出量の拡大が大きな課題となっている中、ASEが提案する各種工法は、掘削除去と比べてコストを抑えて、CO2排出を抑制することが可能になる点も特徴になります。これらの工法により、自然由来の重金属不適合土壌や、鉱油類、VOCなど人為由来の汚染土壌、災害や不法投棄の廃棄物混じり土砂等、建設汚泥など様々な課題に対応が可能になっています。

ASE-MS工法」(https://ase-japan.com/dojyou/wp-content/uploads/2024/05/ASE%E3%83%BCMS%E5%B7%A5%E6%B3%95WEB%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%82%B02404-.pdf )は、重金属を化学不溶化すると同時に中性でかつ土の強度も確保する改質剤。酸性土・シールド排泥・浚渫土・岩石ずりの重金属不溶化、中性固化・廃棄物混じり土の分別に適用できます。鉛、砒素、フッ素、水銀、カドミウム、六価クロム、ホウ素、セレン等による汚染土壌を、オンサイトや仮置き保管ヤードにて不溶化処理を実施して同一工事または別工事で管理土として利活用できる点がポイント。適用に当たっては、対象土壌を事前にサンプリングして、室内配合試験を実施し、基準値以下適合に必要な「メタルシャット(NETIS KT-200060-A)」の添加量を確認。オンサイトで対象土壌を掘削し、自走式土質改良機を用いてメタルシャットと対象土壌を混合撹拌した後、数時間~24時間養生した後に、土壌溶出試験を行って基準値適合を確認し、適合した土壌を管理土として埋め戻し又は盛土を行っています。(掘削せずに原位置不溶化を実施したケースもあり)。

ASE-OS工法」(https://ase-japan.com/dojyou/wp-content/uploads/2024/05/ASE%E3%83%BCOS%E5%B7%A5%E6%B3%95WEB%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%82%B02405-1.pdf )は, VOCや油膜や油臭を瞬時に除去浄化し、土壌を固め地耐力を向上するもの。燃料タンク・埋設配管・機械工作・事故などによる油分の漏洩や洗浄時における溶剤の漏洩・飛散によるVOC・油汚染土壌を現地(オンサイト)で瞬時に完全浄化できる点がポイントで、重油、ガソリン、灯油、軽油、マシン油、ベンゼンによる汚染土壌をサイト外へ持ち出すことなく、現場において短期間で浄化処理し埋戻しに利活用できます。適用に当たっては、対象土壌を事前にサンプリングして、室内配合試験を実施し浄化に必要な添加量を確認。オンサイトで対象土壌を掘削し、自走式土質改良機を用いてオイルシャットと対象土壌を混合撹拌した後、数時間~24時間養生した後に、油膜・油臭試験を行って浄化効果を確認。適合した土壌を随時埋め戻します。地盤強度も向上し、六価クロム溶出試験が不要な点もポイントになっています。

◆依頼主と協会会員企業をつなぐ協会の役割◆

ASEはこうした対策工法の普及啓発に関する活動のほか、窓口として依頼主(事業者、土地所有者等)と対策技術を保有する会員企業、薬剤・資材メーカーを繋げる役割も担っています。

ASEでは「汚染土壌・廃棄物対策.com」(https://ase-japan.com/lp/ )を運営し、電話やメールでの相談を受け付け、ASE事務局から案件に応じた複数技術等を提案し、最適な方法を依頼主とともに一緒に構築しています。

調査から対策完了まで一貫してサポートするため、依頼主にとっても安心して相談ができる体制が整っています。

ASEでは汚染土壌に対する技術だけでなく、土壌を低アルカリや中性域に保ちながら、軟弱な土壌の強度と密度を向上させる中性改質剤ハードレックス シリーズ(六価クロム溶出試験不要)を用いた「ASE-HR工法」(NETIS番号:KT-210043-A)も展開しています。現在、能登半島地震による災害復旧工事にも使用されており、崩落した土砂の利活用に貢献し、発注者・施工者など被災地から大いに喜ばれています。

ASE事務局は、「私たちは、原位置浄化や不溶化技術と環境技術知識を駆使し、持続可能な未来を築くために邁進し続けます。特に地域社会との連携を強化し、土壌・水環境の保全活動を推進し、地球環境保全と資源循環を根付かせていくことが重要だと考えています。より良い環境を次世代に引き継ぐために尽力してまいりたいと思っています」と述べており、今後もASEの活動は注目されそうです。

※記事中の図は、ASE提供資料より。

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広報「土壌汚染情報局~中小企業・個人事業者が向き合う土壌汚染」~Presented by ECO SEED

中小企業・個人事業主が土壌汚染に対応する時に参考となる情報を掲載していきます。 ※情報は時間経過とともに変わりますので、最新の情報をご確認してください。 ※当サイトで紹介する手順や技術、サービスの情報は、制度に照らし合わせた正当性、調査や対策の正確性等保証をするものではありません。土壌汚染調査・対策を実施する場合は必ず、所在する自治体担当部局、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関にご相談ください。

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