大阪府「地下水質保全対策要領」でPFOS、PFOAを調査対象物質に追加の動き

大阪府は、地下水汚染から人の健康を保護し生活環境を保全するため、関係機関が協力して府域の地下水の汚染状況を把握し、発見された汚染について有効かつ適切な対策を講ずるために必要な事項を「大阪府地下水質保全対策要領」で定めていますが、について調査対象物質にPFOS及びPFASを追加する方針で検討を進めています。

PFOS等を追加する目的については、同要領の目的の一つである「地下水汚染から人の健康を保護すること」及び、酸素共存下で容易に硝酸性窒素になる亜硝酸性窒素と異なり、地下水中で長期残留する性質を踏まえると、PFOS及びPFOAについて、水道水質基準項目に追加されることに伴い、調査対象物質に追加することが適当ではないかとしています。

調査の目的については、環境基準は設定されていないが、汚染が確認された地下水の飲用による暴露から人の健康を保護するためとし、調査については、飲用による暴露防止の観点から、飲用指導のための汚染範囲の確認や原因の究明に必要な調査とすることが適当ではないかとしています。

発動基準については、「水道水質基準」と同じ値(PFOS及びPFOAの量の和として50ng/L)で設定することとし、汚染原因を特定し対策を講じる実効性等の知見の蓄積後に、発動基準について改めて検討することが適当ではないかとしています。

「水質汚濁」の観点から調査する場合は、他の調査対象物質と同様、水質基準に関する省令の規定に基づき環境大臣が定める方法(平成15年厚生労働省告示第261号)ではなく、令和2年5月28日付け環水大水発第2005281号及び環水大土発第2005282号環境省水・大気環境局長通知「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について」付表1に定める方法を適用するとしています。

調査範囲については、PFOS及びPFOAの環境中の挙動が明らかでない現時点では、現行の調査対象物質と同様に、半径500mの範囲を原則とすることが適当ではないかとしています。

対策については、飲用に供する地下水の汚染が確認された場合には、水質汚濁防止法による事故時の対応の他、「PFOS及びPFOAに関する対応手引き」に沿って対応することを視野に入れています。

なお、府がまとめたPFOS等を巡る状況については、環境省による令和5年度の全国の地下水の調査結果について調べた結果、73%の自治体からPFOS及びPFOAが検出されたことになり、検出割合が70~80%ほどの硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に匹敵するぐらいの割合でPFOS及びPFOAが検出されている状況だとしています。

この考えは、先般開かれた令和7年度第1回大阪府土壌及び地下水の汚染等対策検討審議会において提案されましたが、委員からの異議はなく、今後、要領へのPFOS等の追加に向けた手続きが進められる見通しです。

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