【環境DDと土壌汚染特集Part1】M&A活発化する中、重要性が増す環境デュー・デリジェンス(DD)~エコビジネスライター・名古屋悟まとめ
◆製造業等でのM&A増加する中、環境DDも頻繁に◆
事業の成長、事業承継問題の解決、企業再生、ベンチャー企業の出口戦略など企業戦略の重要な手段としてМ&Aが活発化する中、財務、法務、事業など様々な分野のリスクを考慮した上で最終的な投資・買収の意思決定を行うデュー・デリジェンス(DD)の重要性が増しています。DDはこれまで法務、財務、税務、事業、労務、不動産などの分野を中心に行われてきましたが、製造業のM&Aも増加していることを受け、環境DDも頻繁に行われるようになってきています。
◆環境省が2025年4月に環境DDの議論まとめや事例集も公開◆
環境省も2025年4月に「日本企業による環境デュー・デリジェンス対応促進に向けた懇談会」での検討結果を踏まえ、「議論のまとめ」(https://www.env.go.jp/content/000310912.pdf )、「環境デュー・デリジェンス対応に向けた取り組みのポイントについて」(https://www.env.go.jp/content/000310913.pdf )、「デュー・デリジェンス事例集」(https://www.env.go.jp/content/000310914.pdf)を公開しています。
「議論のまとめ」の中で、特に需要な視点として「リスクベースのアプローチ」、「リスクに応じた適切な措置」、「経営層によるガバナンス」などが挙げられています。
◆土地の資産減損リスクとなるうる土壌汚染は大きな関心事項◆
環境DDは、土壌汚染、水質、大気、騒音・振動、廃棄物などの環境リスクがどの程度M&Aに影響を与えるか等について主に買い手側の企業が事前に調査するプロセスですが、土壌汚染は汚染があった場合、その土地の資産価値の減損という大きなリスクとなりうることから大きな関心事項となっています。
こうしたことから環境DDにおける土壌汚染調査の重要性が増しており、近年では環境DDを契機とした土壌汚染調査の需要が増しており、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関である企業でもホームページ等で環境DDへの対応について紹介しているケースが目立ち始めています。
環境DDにおける土壌汚染調査等とはどのようなものか…Part2では、環境DDに伴う土壌汚染調査の依頼を受けている土壌汚染対策法に基づく指定調査機関であるトランスバリュー・リアルエステートサービス株式会社〈東京都中央区日本橋本町2-6-13〉の安田晃代表取締役に環境DDにおける土壌汚染調査の現状や買い手側、売り手側企業におけるポイントなどを聞きます。
(Part2へ続く)
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